人が行き交い

夢とロマンがあり

異国文化の香りが漂う海峡の街

『門司』

そんなレトロチックな港街に

“トントン (ton ton)” がある。


前夜と同様に ここ門司でも、

宿にて港の夜景を眺めながらグラスを傾ける。

それを見越したチョイスだったが

ホテル内のBARは休止中とのこと。

かと言っておとなしくホテルの部屋に

籠るわけにはいかないだろう。


夕闇迫る波止場へ

海風を感じながら独り繰り出した。

関門橋が電飾で彩られ

海峡を船が通り過ぎてゆく。

海沿いのストリートを

ネオンを頼りに軒並み流してみた。

どこも奥のカウンター席が

海を臨める配置となっている。

また、こちらもそれは最低条件だ。


1往復が終わり2往復目になり

「そろそろ決めなきゃ」と思ったが

どうにもフィーリングがあわず

あと一歩の踏み込みで躊躇してしまう。

そして1往復目には

気にも留めなかった店がなんだか気になり、

中をのぞき込んでみた。


カウンターにポツンと

一人の男性が腰かけているのを見た瞬間に

直感的にドアに手をかけていた。

「いらっしゃい」

私より年配のその男性は店のマスターだった。

断りを入れながら

より海に近いカウンターの奥の席を陣取った。


おしぼりを出してくれながら

改めて挨拶を交わしたマスターは

その一言で伝わってくる人柄に

『はずれじゃなかったな』と、内心うれしくなった。

料金システムを説明してくれたが

まぁ、それはどうでもよかった。

常連より旅人は回数負けをしているから

割高にはなるだろう。

場合によっては法外な請求もあるかもしれない。

それも、旅の味付けだ。自分の直感を嘆くしかない。

しかし、そんな心配を微塵も感じさせない

誠実さが伝わってきた。


最初はビールでマスターもお誘いし乾杯をした。

2杯目は“角のハイボール”を注文した。

「お客さん、ロイヤルでも同じ値段ですから

 ロイヤルを飲んで下さい」 (ロイヤルだったと思うが)

なんて、正直なマスターなんだ。

大昔のTVCM「角瓶と文庫本」の話しをして

“旅人には角瓶”だと力説したが

いい酒を飲んでもらいたいもてなしの心も強く伝わってきた。

「昔は、レッドやホワイトを飲んで

 いいことがあるとオールドやリザーブだったねぇ」

なんて、昭和のとりとめのない話に花が咲いた。


バイクで来た話をすると

私の見た目とのギャップだろう

何度も驚きの言葉を口にするから妙におかしかった。


この地で40年以上も店をやっているとのこと。

人生の大先輩だ。

並大抵のことでは水物の商売だけにやっていけないだろう。

ご自身の体のことやお孫さんの話を話してくれた。


改めて店内を見渡すとBARのようでもあり、

スナック風でもありカラオケもある。

音響はマスターの自慢のようだ。

日頃は地元の常連さんに愛されているのだろう

ホテルも近いだけに私の様な旅人にも慣れている。

もう一組 子連れの家族が入ってきたが

笑顔で迎え入れていた。この辺りが、愛される理由だろう。

また、私は常連ばかり相手にする店は自分の地元でも苦手だ。

ここのマスターは私だけではなく

スタッフがいるにもかかわらず時折、

その家族にも愛想よく話しかけていた。


レトロチックな

異国文化にあふれる街

初老のマスターにこそ歴史あり。

この海峡の地で

行き交う人と文化

そして歴史の流れを見つめてきたのだろう。


海峡の街に

“トントン (ton ton)”アリ  

マスターが店に立っているうちに

トントン (ton ton) を訪ねるためだけの

ツーリング(旅)を企ててみたくなった。


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